犬と働く社長のブログ

犬と働く社長DogHuggy長塚のブログです。

ドッグホスティングのシェアエコサービスが日本に必要だと思う理由

 

「ドッグホスト」とは?「ドッグホスティング」って?

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「ドッグホスト」と聞いてもピンとこない、耳慣れない言葉ですよね。ドッグホストとは、「他のお宅の犬を自宅でホームステイさせる人」のことを指します。そして、わたしたちはそれを「ドッグホスティング」と呼んでいます。

 

小学3年生のときに自らドッグホストに挑戦

ドッグホスティングの素晴らしさに気づいたのは、わたしが小学3年生のときでした。実際に自分自身がドッグホストとしての経験をしたことがすべてのはじまりです。(もちろん、当時は自分がドッグホストになったという自覚はまったくありませんが・・・)

 

当時、「犬を飼いたい!」とずっと両親にお願いしていたものの反対にあっていたことがきっかけです。どこの家庭でもよくある「あなた世話できないでしょ」という大義名分を振りかざすアレです。もう犬が好きすぎて、近所で飼われている犬たちを見つけては散歩中話しかけたり触らせてもらっていました。その中でも仲の良かった近所のおばさんにお願いして、愛犬のチワワを旅行の間だけ預かる経験をさせてもらえることになりました。

 

ずっと犬が飼いたかったわたしにとって夢のような時間でした。今まで本当に飼いたくて飼いたくて仕方なかった「イヌ」という存在が自分の家に来るのです。迎えることが決まったその日はもうドキドキです。もちろん預かるからには責任をもってわんちゃんを預からないといけません。「犬の飼い方図鑑」を本棚から引っ張り出して、犬の生態や病気、しつけなど必死でおさらいしたことを今でも覚えています。

 

ロビンちゃんを預かる当日、散歩のときに触れ合っていただけでは分からなかった犬の色々な表情を見ることができました。ドッグホスティング中、そのロビンちゃんが何を言いたいのか、どうしたいのか、が不思議とわかる感覚がありました。わたしが犬を大好きな理由は、「通じ合っている感覚」、「絆を感じる瞬間」があることです。愛犬家の人にはこの感覚がわかってもらえると思います。

 

散歩に行ったり、ご飯あげたり、遊んだり。お泊りに来ている間、ロビンちゃんとずっとおしゃべりしながら過ごしていました。1泊2日と短い期間でしたが帰る頃にはもう10年も一緒に連れ添っている相棒みたいな関係にまでなれていたと思います。

 

ロビンちゃんがおうちに帰るとき、当時のわたしは寂しくて大号泣。そんな中でも、飼い主さんはとても感謝してくれて、嬉しかったことをよく覚えています。

 

この経験がきっかけでドッグホストになることの素晴らしさを体感し、色々な人にもドッグホストとしての経験してほしいと思っています。

 

ペット共生社会に求められるドッグホストの役割

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ドッグホストは、その人自身が喜びをえられるだけでなく、実際に社会にとっても必要とされる役割なっていくと考えています。まず、犬を飼うことができるのは、時間や環境、経済的に余裕がある人(または旅行をあきらめるなど自分を犠牲にできる人)だけ、というのが今の日本の現状だと思います。また、かわいいからという理由だけで、その犬種の特性やしつけの難しさを知らずに飼いはじめ、結局面倒が見きれなくなってしまうという人も多いようです。

 

ドッグホストの存在は、自分で飼うという選択肢だけではなく近くの飼い主さんをサポートし、「地域で犬を飼う」という考えを実現する仕組みになりえると思います。

 

「飼った方がいいけれど飼うのが難しいというミスマッチな状況」を解消できるのが、ドッグホストです。ドッグホストになることによって、犬の面倒を見ることができない近所の飼い主さんの代わりに面倒を見ることができます。また、その後には犬を飼えないのでドッグホストになるという選択肢も出てくるでしょう。

 

 

一億総活躍社会の実現に貢献

 

ペット業界の離職率は非常に高いと色々な方から話を聞きます。薄給かつ激務で犬が大好きで始めたのに続けられないという現状も一部あるようです。そんなペット業界には、本当に動物が大好きで、純粋に動物や飼い主さんに貢献したいと思っている方が非常にたくさんいると日々感じます。そんな方たちが、好きをいかしながらいまよりもっと活躍できる選択肢のひとつとしてドッグホストを知っていただければいいなと思っています。社会としてもそのような方たちの犬への知識や経験、スキルを活用しない手はないでしょう。

 

これからの超高齢化社会に向け、ひとりひとりが生きがいを感じられる社会にするためには、多様な形での社会参加が重要になっていきます。また、責任感を持つことや誰かのために何かをする行為、地域コミュニティーのなかで他の人と関わることが、健康寿命の延伸や精神的な充実につながるいう意味でもドッグホストは可能性をもっていると思っています。

 

ドッグホストとして活動することで、大好きな犬と素敵な体験ができ、飼い主さんのためにもなることができる。そんな仕組みが「ドッグホスティング」なのではないかと思います。

 

もし、ドッグホストとしての活動に少しでも興味をお持ちいただけた方はこちらよりご応募ください。

https://doghuggy.com/host/landing

 

 


 

 

 

 

獣医を目指していた私が18歳で起業した理由

いろいろな方に「なんで18歳で起業したの?」「どうしてそんな思い切ったことしたの?」よく聞かれるので書いておきます。この記事では、起業するためになにを考えたかというよりも、「ペット業界の根本的な課題をどう解決したいと考えているか」という部分をまとめました。このような経緯やわたしの考えをまとめて書いておく機会がなかったので創業から2年が経とうとしている今まとめておこうと思います。

 

 

 目次

 

 

獣医師になりたかった学生時代

起業をしたのは高校在学中の2015年2月。

最初から起業をしようと考えていたわけではありませんでした。小学校のときの将来の夢作文では「獣医師になって犬を助けたい」と書き獣医学部のある大学付属の高校に進むほど本気で獣医意思を目指していました。

物心がついたときから犬という存在が好きで好きで狂ってました。近所で散歩している犬を見つけると飛びついて会話したり。普通の友達(人間の)と遊ばないで犬とずっと遊んでいたり。

犬ってわたしたち人間とは種は違うにも関わらず何故か心を通い合わせることができるんですよね。人間の顔色を伺っていたり、一緒にはしゃいだり、悲しいときは一緒に悲しんだり。本当に違う種の生き物なんだっけ?と聞きたくなるほど思いを共感できる。わたしにとって犬は人間以上に自分をわかってくれる存在でした。そんな存在だった犬を助けたい、もっと幸せに暮らしてほしいと思うのは当然だったのだと思います。

 

 

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■我が家の愛犬ジャックが2歳の時ときの写真。可愛い!

 

大学の授業で気づいた日本のペット業界の現状

小学校で獣医を志してから、ついには獣医学を学べる高校にまで進学して犬について更に深く学ぶようになりました。そんな高校生時代のある日、動物福祉についての授業を受けたのがわたしの人生の転機でした。

犬についての学問である「動物行動学」については以前も独学で本を読み漁って学んでいましたが、これまでは犬と社会を中心に扱う分野である「動物福祉」の観点で物事を考えてはいなかったことに気づいたのです。
「日本は動物福祉後進国だ・・・」授業を受けて本当に衝撃を受けました。というより正直心からショックでした。

日本では、年間で約3万頭もの犬が殺処分されています。それに比べて、ドイツは殺処分ゼロ。また、イギリスやドイツでは公共交通機関やレストランにも犬と一緒に入れます。さらには、表面的でなく文化レベルで犬を大切にし、犬の存在が社会や人々の生活に本当に受け入れられています。
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どうにかして日本を人と犬が暮らしやすい社会に、犬が幸せに暮らせる社会にする。

「日本をどうぶつ先進国にする」

この時私は心にこれを誓って、自分の人生のテーマにしようと思いました。

 

「もっとたくさんの犬を救いたい」その手段としての起業

ですが、何をしていいかわからない。
ということで、まずは日本でこの課題に取り組んでいるNPOやペット関連企業などについて調べました。

調べたり考えたりしていくうちにもっと根本的な課題を解決したいと思うようになっていきました。社会問題を語るうえで、よく使われるたとえに「バケツの水を受け止めることと蛇口の水を止めることが重要だ」という言葉があります。

今、多くの動物愛護団体をはじめとする方々や著名人の方々がバケツの水を受け止める活動を行っています。そんな中、若い自分に何ができるか?そう考えたときに、蛇口の水を止める、つまりは「犬を捨てない環境づくり」をやるべきだと思いました。多くの先輩方が水を受け止める活動されていますが、それらの多くは根本的な解決にはならないと感じています。ここに関しては、誤解いただきたくはないのですが、もちろん目の前の犬たちを救うことは本当に本当に大切なことです。お互いの役割で全力で取り組むべきですし、お互いを尊敬するべきだとも思っています。ですが、いくら受け止めるキャパシティーを広げても、溢れでる水が止まらない以上はこの問題は改善しないと考えています。そして、そもそも捨てられてしまっている犬目線になったれば、に何も問題は解決されてはいないのです。捨てられている時点で辛い思いをしているのではないでしょうか。

日本ではそういった愛護団体などの先人の方々のご苦労の末に少しずつではありますが、受け止める側の体制は整ってきました。そんな受け止める側の方々の苦労や大変さを改善する意味。そして、日本を次の動物福祉のステップへとステップアップさせ、犬たちの本当の幸せを実現するためにも、蛇口の水を止める活動が若い世代の役割であると確信しています。

この課題を解決するために、若い自分ができること、そして必要だった手段が起業だったのです。
資本主義社会の中で、持続的に尚且つ広く大きな影響力を持ちながら中長期的な視点を持ちながらスピード感を持って社会を変えていく。それがベンチャー企業であれば実現可能であると思ったのです。今のペット業界に足りないことは、資本主義社会において利益を出しつつもそこで得た利益をより良い社会実現のためにシステムをつくるために投資し続けることだと考えています。持続的でなければ、社会問題の本質的な解決には不十分だと思います。事業の拡大と社会問題の解決、決して簡単なことではありませんがだからこそ、この相反した難しい挑戦に自分が人生をかけるべきだと感じています。

ペット業界の歴史として、犬たちを売り物にボロ儲けしていた人間たちとそれに対抗した非営利の団体との二極化が進んできた背景があります。レガシーな動物愛護団体の方と話していると営利という部分に大変拒否反応を示す方もときにいます。それは、このような業界の背景があると考えています。しかし、やはり非営利で自分の財布から持ち出しで犬たちを救うことには限界があります。この点、社会問題に取り組むのであればしっかりと持続可能という点を考慮しないといけないとわたしは思っています。

今求められているのはこの中間である、利益を出しつつも持続可能な形で社会問題に取りくむ団体です。それがわたしの知りうる中では無かったので、起業という選択肢、DogHuggyというこれまでに日本になかったサービスを作るということを選びました。いたってシンプルな発想です。

 

DogHuggyが考える根本的な課題の解決1 - インフラ整備

では、DogHuggyでどうやって社会問題を解決するの?という疑問がみなさんの頭の中に出てくるかと思いますが、大きく分けて2つあると考えています。

1つ目は、人と犬が暮らしやすい、共生しやすい社会を作るための「インフラ整備」です。
わたし自身、犬と暮らしていてとても暮らしにくいと感じることが多くあります。
犬と一緒に行動することが困難であること。自分が死んだ後の犬の世話ができないこと。犬がいることで仕事や趣味、旅行など生活に制約が出てきてしまうという点です。犬を飼った以上、それは責任を持って人間が我慢をするべきだ、という主張をよく聞きますが、それはわたしの中では少し違っていると思います。このロジックでは今の日本において誰もが社会に関わり活躍する一億総活躍社会という構想の中では犬を飼える人間が圧倒的に減ってしまいます。この政策が進むにつれて犬を飼える人間が減っていってしまいます。しかし、犬は人間の生活を豊かにするパートナーだとわたしは思います。実際、科学的にも犬と暮らすことによるメリットが証明されています。犬を飼っている、または飼っていた、触れ合ったことのあるみなさんも直感的に犬がいることで生活が豊かになったという実感がある方も思いのではないでしょうか。また、犬が減ってしまうことでペット業界が衰退していくことも考えられます。ペット業界が衰退していくとどうなるか。適切にいいサービスを提供できる事業者が減り結果的に飼い主の方たちがどんどん暮らしにくい社会になってきます。これでは犬を飼っている人も犬自身も幸せに暮らすことが困難になっていくでしょう。

このような理由からも、犬につきっきりで飼える人間だけが犬を飼うべきだという論理が危険であるということがお分かりいただけると思います。

とはいえ、無責任に犬を飼う人を増やしたい訳ではありません。DogHuggyは、将来的に「犬のお世話のシェア」を実現したいと考えています。今の日本の犬の販売制度では衝動買いなど安易に犬を飼えてしまう仕組みになってしまっています。

これをそのままにしておくのは問題であると思っています。ここでも衝動買いをする人を批判する声があると思いますが、大きくはペット業界側に問題があるとわたしは考えています。だって犬って可愛いし素晴らしいんですもん。飼いたくなる気持ちも非常に理解できます。また、圧倒的に犬と触れ合える機会が少ない。弊社ではイベントで飼い主が愛犬を連れてきて犬が好きな人(飼っていない人も含め)とご飯を食べようという企画をやっていますが、すごい盛況ぶりで飼っていない方からの人気がとてもあります。

そこで解決できる方法が「犬の世話のシェア」です。飼うことは難しいが犬と触れ合いたい人が旅行などで一次亭に預けたい人のわんちゃんをお世話することで両者のニーズが満たされます。また、1人あたりのペットへの消費する金額を減らしつつも、犬1頭あたりにかける金額も大きくなっていくので業界としてもマーケットが広がり、犬たちも豊かな生活を送ることができます。もちろんこれをすぐに実現するのは難しいと思っています。そこで私たちの考える2つ目の大きな戦略があります。
 

DogHuggyが考える根本的な課題の解決2 - 教育

 

2つ目の社会問題を解決する方法。それは教育です。
犬をお世話したいニーズのある人を教育することで若い世代を中心としたお世話をしたい人間の知識レベルを底上げします。人間はなかなか自ら学びたい!と思うのは難しいですが、目的があれば勉強します。どんな人でも運転免許取るために勉強しますよね。そのようにして若い世代の犬に対する知識を底上げした状態を作り出すことによって、将来時間や経済的に余裕が生まれ犬を飼おうと思った段階で、適切な犬種を知識がある状態で飼い始めることができます。犬を飼いたいと思ったらまずはドッグハギーで犬の世話のシェアに参加してみる。そして、犬を飼いたい人は飼う。満足できる人は世話のシェアでニーズを満たす。というエコシステムができあがります。さらには犬と良好な関係を築けず問題行動で悩む飼い主の人たちは、正しい知識を身につけたいけれどもその機会がないことが犬が捨てられる理由のひとつとしてあると思っています。こういった意味でも正しい知識と接し方を体験してもらいながら学んでいく環境は大変重要であると考えられます。

教育が必要なのは上記の他にもあります。
今の論調として生体販売への法規制の強化が強く叫ばれていますが、これらは根本的な解決にはなりません。もちろん効果は大きくあるとは思いますが、最終的には人間のモラルを改善しなくては解決できないと思っています。

サミュエル・スマイルズは著書自助論の中で、
「われわれ一人一人がよりすぐれた態度を身につけない限り、どんなに正しい法律を制定したところで改革などできはしないだろう」と言っています。

つまりは「劣悪な環境で販売されているペットを飼うこと自体が恥ずかしい」という文化を作ることが重要なのです。今、劣悪な販売業者がいる理由は知識がなくその劣悪さの事実を知らない一般の方々が安いという理由で買ってしまっているからであって、法律があったところで抜け道を見つけた業者が安く販売する現象がいつまでも起こるとおもいます。

このようにインフラ整備と教育を提供していくことで今課題になっているペットに関連する社会問題を大きく改善していくことができると思っています。
 

まとめ

 

まず、ここまで長文を読んでくださってありがとうございました。
わたしの考えていることを正確に伝えたいと思っていたらこんな長文&拙筆になってしまいました。
長文にはなりましたが、結局は「飼い主さんと犬を幸せにしたい。」それだけです。

犬と人は正しく関われば本当に素晴らしいパートナーになることができます。わたしたちがそんな素敵な関係を築ける人々をもっと増やして、素敵な社会を作りたいです。

今、猛スピードでこの社会問題を解決し、人と犬が幸せに暮らすことのできる「どうぶつ先進国」を作ろうと思っています。しかし、そのためにはまだまだ仲間が必要です。

これを読んで協力したい。少しでもそんな風に思ってくださった方はご連絡ください。
 

 

 


そして周りの人々にSNSなどで、DogHuggyいいよ!とお勧めしてください。

どうか、どうか一秒でも早く世界に幸せな飼い主と人が増しやしていきたい。